■理事長基本方針

2025年度理事長 一ノ本 智毅

 「この国には何でもある。ただ『希望』だけがない。」*¹ 2000 年に発刊された『希望の国のエクソダス』の一文ですが、20 年以上経った今の日本、特に地方において、こんなにもしっくりくる言葉があるでしょうか。
 人は、自らの住まう地域の未来は明るいと希望を持つことで、定住意向、挑戦意欲、地域へのコミットメントが高まり、ひいては個人の持続的な幸福感に繋がります。地域への希望と人口減少率は相関関係があります。つまり、人口減少が進む地方においては、地域への希望を持つ人が少ないということです。しかし、人口減少は止めることのできない事実です。
 今日の地方では、人口減少を受け入れ、異なったアプローチから地域への希望を見いだす必要があります。地域の未来へのイメージは市民一人ひとりの主観によるものです。人口減少という事実ではなく、市民の頭の中の認識に訴えかける運動が私たちに求められていると私は考えます。
「新日本の再建は我々青年の仕事である」と志し、1949 年から始まった日本におけるJC運動は各地に拡がり、豊岡青年会議所は1961 年に第205 番目の青年会議所としてこの地に発足されました。先輩諸氏は、明るい豊かな社会の実現のため、それぞれの時代に合わせた運動を展開し、その実績は信頼という形で現在の活動の礎となっています。
 今の日本、特に地方は、人口減少、少子高齢化は言うまでもなく、何か目に見えない閉塞感と、出る杭を許さない空気感を感じます。また、物価だけが上がり、実質賃金は中々上がらず、未来への不透明感は増すばかりです。だからこそ、私たちはこの予測困難な時代に、地域の発展を牽引するリーダーを輩出する団体として、圧倒的な当事者意識と未来志向で地域の未来に希望をもたらす存在にならなければなりません。
 豊岡には、優れた若者がたくさんいます。2024 年に地域おこし協力隊の累計が100 名に達しました。これは全国でもトップクラスの数字です。そして、2025 年は2021 年に開学した観光文化専門職大学から初の卒業生が誕生します。また、それに限らず、IターンUターンを初め多くの若者たちが豊岡には存在しています。しかし、個々の力はあったとしてもその力を活かし切れていないと感じます。もっと市民に知れ渡り、行政や金融機関を含めその活躍を後押しすることができれば、地域に与えるインパクトはさらに大きなものになると考えます。頑張ろうとしている若者は地域の希望そのものと言えます。その希望そのものである若者に、光を当て、輝かせ、応援する。そんな仕組みが地方にこそ必要なのです。JC だからこその強みを活かし、希望ある未来を描いていきましょう。
*¹引用 村上龍.『希望の国のエクソダス』.文藝春秋.2000年

 本年度は2 つの委員会と1 つの特別室で運動を展開していきます。
・総務委員会
 LOM 運営を司る要の委員会として、諸会議において、規律ある運営かつ、効率的な運営を検討し実施することで、私たちが大切にしている、議論を尽くし物事を決定するというプロセスを担保します。そして、より訴求力の高い運動を展開するため、無駄なものとそうでないものを見極め、時代に即した組織運営を行います。さらに、メンバーが社業や地域においても成長を実感するため、資質向上の機会を提供することで、自分の未来、自分の会社の未来に希望を持てるようになります。また、先輩諸氏とのリレーションを深めるため、年忘れ合同例会を実施します。
 地域に希望をもたらす豊岡JC となるため、まずはメンバー自身がどんな困難をも乗り越えられるよう、リーダーとしての在り方を追求していきましょう。

・社会開発委員会
 地域に希望を持つための一つの要素として、ロールモデルの存在があります。市民に豊岡のロールモデルとなる人財を認知していただくため、JC の強みを活かし、個々で活躍する若者を発掘、発信することで、市民、特に若者の憧れや目標となります。そして、広報誌「絆」を発行することで先輩諸氏や関係団体にメンバーの活動を報告します。さらに、2025 年は広報誌「絆」700 号を迎えます。今までの先輩諸氏が紡いでこられた軌跡を記念誌として発行します。また、豊岡JC の認知度を高めるため、各種メディア、SNS を通じてメンバーの活動を発信します。私たちの運動は地域になくてはならないものです。私たちの希望へと導く運動を広く対外に発信していきましょう。

・会員拡大室
 地域に希望をもたらす私たちJC にとって、会員拡大は、その根幹となるものです。JC は、社会の変化に柔軟であるために、メンバーそれぞれが輝ける組織でなければなりません。今までの固定概念を取り払い、多様な個性が調和し、様々な人財が活躍する組織を見据えた積極的な会員拡大を行うことが重要です。そのために、全メンバーと協力することを前提とした戦略と行動計画を策定し、全メンバーによる会員拡大を推進し統括します。そして、会員同士の親睦を深めるため、LOMナイト等の各種懇親会を設えることで、メンバーの結束力を高めます。
 さらに、2026 年は豊岡JC 創立65 周年を迎えます。記念式典をはじめとする創立65 周年の記念事業の意義や目的を調査研究することで、来たる2026 年を豊岡JC の好機とします。

JC の友情は一生ものです。豊岡JC 一丸となって、私たちの輪を拡げ、未来に繋いでいきましょう。