■理事長基本方針
2024年度理事長 一ノ本 智毅
自問自答してみてください。今朝起きてから家を出るまでに家族にかけた一言、出社してから退社までの時間の使い方、JC の委員会や理事会における言動を振り返った時、それら一つひとつの行動や日々の仕事、そして JC 活動に誇りを持てていますでしょうか。漫然と日々が過ぎ去っていないでしょうか。
誇りを持った行動とそうでない行動とでは大きな違いがあります。そこに誇りがあることで、自身の行動や日々の活動に価値が生まれ、自尊心が高まり、主体性が芽生え、やりがいを感じ、ポジティブに物事に取り組むことができます。私たちの誇りある取り組みの積み重ねこそが地域の未来を切り拓く運動の基盤になると私は確信しています。「新日本の再建は我々青年の仕事である」と志し 1949 年から始まった日本における JC運動は各地に拡がり、豊岡青年会議所は 1961 年に第 205 番目の青年会議所としてこの地に発足されました。これまで、明るい豊かな社会の実現のために先輩諸氏が脈々と紡いでこられた運動の実績は現在の活動の礎になっており、更なる明るい豊かな社会の実現が今の私たちには求められています。
「JC は最後の砦なんだよ!」これはある先輩の言葉ですが、この言葉を聞いた時に私は自分が恥ずかしくなりました。それまで、家族にも会社にも JC をしていることを堂々と言えず、自分の JC 活動を誇れない、そんな考えが私にあったからです。しかし、地域の若者が地域の未来のため、自らの成長のため、自他を鼓舞し、時には律し、一堂に集い議論を尽くす。そんな組織は今の日本において JC しかありません。私たち青年世代が此の先の地域から目を背け、自身のためだけに生きたのであればこの地域に未来はないのです。だから、JC はこの地域に絶対必要なのだと私は信じています。
昨今、ロシアによるウクライナ侵攻に起因する資材不足や燃料の高騰による経済の低迷、少子高齢化、生産年齢人口の減少、生産性の低下による国際競争力の低下など、私たちの抱える問題は山積しています。また、所謂コロナ禍が明け、価値観の変容により新たな生活様式が当たり前となり、それまで常識とされていたものも刻一刻と変化しています。だからこそ、無思慮にコロナ禍前の世界をあるべき姿と位置付けるのではなく、豊かな社会の実現という JC の最上位目的に立ち返り、本質を見極めるとともに、多様な価値観を尊重し、よりスピーディな意思決定と実行を JC が地域に率先して実践しなければなりません。
豊岡が持続可能な地域となるためには若者回復率の向上が重要です。若者回復率とは豊岡市が独自で算出している指標となりますが、2020 年の調査によると男女合計は、10 代が2,063 人の転出超過、20 代が 728 人の転入超過、若者回復率 35.3%となり、前回の 2015 年から 4.2 ポイントのマイナスとなっています。この問題点に対し、子供たちがインパクトのある思い出を豊岡でつくり、未来に希望を持ち、1 市 5 町の魅力を感じ、誇れる地域を体感することで若者回復率が向上すると考えています。そして、これからはパートナーシップ、カウンターパートとの連携を強めることで地域を巻き込み、運動の発信力をさらに高めていくことが重要です。少人数の LOM だからできないと決めつけるのではなく、風呂敷を広げ、理想の未来を思い描き、実行していきましょう。JC に限界はありません。
本年度は 2 つの委員会と 1 つの特別室で運動を展開していきます。
・総務委員会
LOM 運営を司る要の委員会として、規律ある委員会運営を行い、メンバーの模範となります。そして、メンバーが例会や事業の構築や運営に全力を出せる環境を整えるため、効率的な LOM 運営の方法を模索し、組織運営を最適化します。また、先輩諸氏とのリレーションを深めるため、年忘れ合同例会を実施します。地域を牽引するリーダーを輩出し続けるに相応しい組織として在り続けるために、まずは内部からアップデートしていきましょう。
・誇りある地域創造委員会
私たちの最上位目的である豊かな社会の実現を追求し続けるためには、会の存続が必要不可欠です。メンバーへの動機付けを定期的に行うため、メンバー全員による会員拡大を推進し統括します。そして、子供たちが将来帰って来たくなる地域を創造するため、地域を巻き込み、地域の魅力を発信し、子供たちの思い出に刻み込むことで、子供たちに誇れる地域を体感していただきます。また、広報誌「絆」を発行することで先輩諸氏や関係団体にメンバーの活動を報告します。さらに、豊岡 JC の認知度を高めるため、各種メディア、SNS を通じてメンバーの活動を発信します。私たちの運動は地域になくてはならないものです。誇りを持ち、私たちの運動を広く対外に発信していきましょう。
・会員交流室
私たちは一つのチームです。メンバー同士が繋がり、協力し合うことで私たちの発揮する力は何倍にもなり得ます。まずは、会員同士の親睦を深めるため、LOM ナイト等の各種懇親会を設えることで、メンバーの結束力を高めます。そして、メンバーへ更なる学びの機会を提供するため姉妹 JC との交流を推進します。さらに、豊岡 JC が地域の構成団体としての役割を果たすため、円滑な渉外活動を行うことで、地域での信頼をより高めます。また、新会員の絆を深めるとともに資質向上を図るため、会員開発講座を実施し、未来の豊岡 JCを担う人材の育成を行います。JC の絆は一生の宝となります。会員交流室が軸となり、友情を育むことで、笑顔溢れる最高のチームをつくっていきましょう。
進化、変化を恐れてはなりません。考え抜いた先にやらないという選択は決して悪いことではありませんが、それでは未来は変わりません。時代は猛スピードで進んでいきます。何もしなければ一生時代に追いつけないかもしれません。失敗したら元に戻せばいいのです。
私たちが住み暮らすこの地域に、私たちが集う豊岡 JC に、そして自分自身の日々の行動と一つひとつの決断に誇りを持ち、運動を展開する。そんな人財で溢れる組織をつくっていきましょう。