■理事長基本方針

2022年度理事長 大友 孝

 1961年に豊岡青年会議所が地域の発展のために設立され、以来60年間にわたる活動の中で、地域を牽引するリーダーを育成する場として、このまちにおいてかけがえのない存在となりました。これは、先輩諸兄の熱き情熱と弛まぬ努力により幾重にも積み重ねられてきた地域との信頼の証であり、素晴らしくもいつまでも色褪せぬ歴史によるものであります。そして、昨年2021年には創立60周年という節目の年となり、これから先の未来に向け新たな一歩を記すこととなりました。
 近年テクノロジーの急激な進化によって経済や社会が目まぐるしい変化をしていく中、新型コロナウイルスがもたらす影響はより速度を上げ強制的な変化を要する時代の到来となり、歴史区分における現代から次の時代に変わる節目となる可能性があります。俊敏な試行錯誤を繰り返す中で定まることのない新たな価値観と常に向き合うことが求められ、どうしても将来への不安は拭い去ることができません。しかしながら、これまで先輩諸兄が幾度となく困難を乗り越え続けられてきたからこそ、今の私達は当たり前のように日々活動をさせていただくことができています。だからこそ、我々も、輝かしい未来のために、英知と勇気と情熱をもって、逆風に立ち向かうとともに、前向きかつ柔軟な考えと行動をもって自ら風向きを変え、確かな歩みを進めていかなければなりません。

 本年度はこの言葉をスローガンに掲げます。
 力強く踏み出し地に足を付けた創立60周年という節目の年を終え、ここからさらに新しい一歩を踏み出し歩みを進めていくためには、今おかれている現状を理解し、足元をしっかりと見つめ直さなくてはなりません。会員が減少し続け、経験年数が浅いメンバーで構成される状況の中、さらにコロナ禍、アフターコロナにより不確実性が高まる混沌とした道を進むために、過去から目を背け、拠り所とする価値観を見ようとせずにただ変化を求めるのではなく、原点へ立ち返り立脚点を明確にすることでしなやかに力強く未来への進化を図る必要があります。また、発想の起点を、こうしなければならないから、こうしたいに変化させていくことで、自らが積極的に輝こうとする主体性を生むことができ、誰かがやってくれるという消極的で他人任せの気持ちを各々が挑戦しようという気持ちへと昇華させることができます。しかし、組織として規律を重んじ、他を想い私心に制限をかけながら、輝きを失うことなく組織に灯りをともすことを忘れてはなりません。常に輝かしい未来像を想い描き、目標を掲げ、人のために、地域の為に力を余すことなく発揮することが我々の使命であると考えます。
 私達は、限りある貴重な時間の中で、会員が一堂に集まる例会をはじめ各事業や会議を行い、自己研鑽の機会を得ています。これらは皆の貴重な時間を共有していることをそれぞれが自覚し、誠実かつ仲間を想う熱い気持ちをもって、より有意義なものにしていかなければなりません。そして、価値観をぶつけ合い、互いが相寄り理解し合うことで強固な信頼関係を築き、個々の力を高めていくのはもちろんのこと、組織として強く結束することが必要です。
 そして、先輩諸兄が故郷を想い、発展を願い、情熱を傾けてこられた、青年会議所活動におけるまちづくりの実績は地域との信頼関係を密に築き上げ、私達はその誇るべき信頼の歴史を引き継がせていただき、地域からの豊岡青年会議所に対する理解と期待を実感することができます。だからこそ、この理解と期待を裏切ることなく、これからも信頼を積み重ねなければなりません。このまちには、本来の魅力を発揮できず埋もれそうになっている数多の原石が存在します。持続可能な地域の発展を想う我々は、持てるネットワークを駆使し、人と人、人と地域を繋げ、魅力を掘り起こし、そして輝かせることで、まちの活力と人々の幸せを生む運動を展開し発信し続けていく必要があります。そして、その運動が現在や未来の誰かのためになるという実感をもつことで、我々の活動に対する機運も最高のかたちで高まり、このまちに輝きをもたらす起点となれると確信しています。

 以上の想いを実現するとともに、メンバーがより一丸となり組織の力が発揮できるよう、本年度は以下の通り1つの委員会で取り組んで参ります。

・総務委員会
 唯一無二の委員会として、組織力の向上に努める運営を行うとともに、「SDGs」や「質的価値」の考え方を踏まえ、様々なパートナーシップの構築を図り、地域と人を結び付け、持続可能な魅力溢れる地域に繋がるまちづくりを行います。また、広報誌「絆」を編集するとともに、様々なメディアを通して活動の発信を行います。そして、会員相互の親睦やOB諸兄との交流の推進を行うとともに、上部組織、各種団体、各地青年会議所、海外JC、海外諸国との交流の窓口となります。

<会員拡大について>
 これから先LOMの存亡をかけた時、会員拡大は至上命題であります。しかしながら、組織の運営のみに忙殺され疲弊し、ネガティブな発想や行動を我々が行っていては、本来の輝かしい魅力を伝えることは非常に難しく、悪循環に陥ってしまいます。少子高齢化や転出超過によりこの地域から若者が減少しているとはいえ、自己の成長や、この地域を、自らが住まうまちを少しでもよくしたいと願う志の高い若者は必ず存在します。信念に対し後悔のない活動をもって、自身に返ってくる充実感や達成感を実感し、輝きを放ち、誇りと自信をもって志の高い若者と明るい未来を語り合い、信頼と期待、そして希望の輪を拡げて参りましょう。

 今私達がこの時にかけることができるのは、周囲のかけがえのない支えがあるからこそである。このことに感謝し、自らが後悔のない貴重な時間を使い、高い志をもって明るい未来を想い描き、胸を躍らせながら様々なことに挑戦していこう。そして、その輝かしい姿を地域へ自信をもって発信していこう。
 未来を照らす灯となるために。