■理事長基本方針
2021年度理事長 池垣 睦生
1949年、「新日本の再建は我々青年の仕事である」という責任感と情熱に溢れる志を同じくする青年達によって日本の青年会議所運動は始まりました。1961年には、その志に共鳴した先輩方が私たちの故郷、豊岡の地に豊岡青年会議所を立ち上げられました。以来、60年という永きにわたり修練・奉仕・友情というゆるぎない三信条の下、明るい豊かな社会の実現のために時代に応じた様々な運動を展開してこられました。これらの運動は、地域の発展に大いに貢献し、地域を代表する青年団体としての確固たる地位の確立につながり、今日の我々が在ります。時代が変わろうとも色褪せない先達の功績は豊岡青年会議所の誇るべき歴史と言えます。その歴史を受け継ぎ、敬意と感謝の念を抱き次代へとつなぐことは今を生きる私たちにしかできないことなのです。地域から必要とされる団体として、確固たる信念と挑戦する勇気を携え、明るい未来を創造していくことこそが我々に与えられた使命であると考えます。
本年度はこの言葉をスローガンに掲げます。
創立60周年を迎える我々は、先達が草創期より青年としての情熱と弛まぬ努力で幾多の困難を乗り越え、組織としての地位を確立された礎の上に立っているに過ぎません。さらなる未来を描くためには、個人としての在るべき姿を一致させるという強要ではなく、互いを理解し考えを共有することが大切になります。そして明確なビジョンのもとでは各々の立てた志の大小を問う必要はなく、議論を重ね同じ方向性をもつことが物事を突き動かす何より大きな原動力となります。
歴史の継承とは形式的な角張った在り方ではなく本質を捉える視座が不可欠であり、未来の創造とは今ある社会を形成する因子を新たな価値へとデザインすることを指します。そして我々の進化とは、あらゆる難局を生き抜くしなやかさを備えた組織へとなるべく内省を図るとともに組織の時間軸を未来志向へと進めることが肝要であると考えます。
青年会議所は意識変革団体と言えます。それはひとつに青年会議所活動を通じて得られるあらゆる機会から知見を広げ、同じ志をもつ仲間に出会い、共に自己研鑽を重ねていく中で己自身の意識が変化という成長をする場であります。また「明るい豊かな社会の実現」という崇高な理念を掲げ活動する我々は、地域の課題に目を向け、持続性あるエンパワーメントを引き出すために必要である明確な根拠、説得力ある言動をもって、そこに住まう人々の意識を最適解へと導かなければなりません。意識を変革させることは容易なことではなく、行動を起こす側の熱量によって波及力は左右されます。
個人の成長が各々の社業や地域に良い影響を与え続けていくこと、愛すべきふるさと豊岡が持続可能な発展ができる「まち」の創造につながることを信念に、青年として直向きになる姿こそが青年会議所が変わることなく地域に至要とされる所以であると考えます。
◆VUCAの時代だからこそ
新型コロナウイルス(COVID-19)を起因とするパンデミックの影響は甚大であり、今までの当たり前が失われ、変わることを余儀なくされました。また九州地方を中心とする豪雨災害、日本各地で頻発する地震など未曽有の災害が日常を一変させるという危機に直面しています。
日本のみならず世界規模での環境・経済・社会における変動が激しく、不確実で複雑で曖昧になった今、どのような局面であっても国策に依存するのではなく問題を紐解き、地域・企業・個人がそれぞれに取り組める視点から考え、人事を尽くす人が活躍することのできる共生社会の構築が必要とされています。我々、青年会議所にも組織としてのネットワークを有効に活用し有用性あることを率先して迅速に行える組織であることが求められます。
将来への不安が混沌とした世相だからこそ、未来に対して最大公約数的に合意がとれる無難な選択をするのではなく志を同じくする仲間と手をとり、いかなる難題であろうと果敢に立ち向かう輝かしい青年の姿がそこにあると確信しております。
◆LOM運営
以上の想いを実現するため、本年度は以下の通り委員会を設置し運営を行います。
・総務委員会
LOMの要の委員会として、円滑かつ効率的なLOM運営を行い、組織力の向上に努めます。また広報誌「絆」を編集するとともに、様々なメディアを通してLOM活動の発信を行います。そして、今後のLOMの在り方について定款・諸規定を含めた様々な検討を行うことで方向性を示します。
・とよおかの未来創造委員会
SDGsを推進する団体として、持続可能なまちづくりに対する市民の意識改革に努めるとともに、地域社会が共生することで導く可能性を見出し、誰もが未来に期待するまち「とよおか」を共創します。そして、本事業を創立60周年特別事業とします。また我々の活動に多大なるご支援くださる特別会員の皆様方と共に創立60周年を締め括り、これからの「とよおか」を大いに語らう機会として年忘れ合同例会を開催します。
・会員交流室
会員相互の親睦やOB諸兄との交流の推進を行うとともに、上部組織、各種団体、各地青年会議所、姉妹JCである大韓民国全州青年会議所との交流の窓口となります。
・創立60周年特別事業実行部会
創立60周年特別事業として、創立60周年、全州青年会議所姉妹締結55周年記念式典・祝賀会を開催し、記念誌の発行をします。また対外事業を含め、創立60周年特別事業を統括しLOMメンバーが一丸となり取り組めるように務めます。
◆意志あるところに道は拓かれる
我々が抱える直近の課題は、会員数の拡大であります。不確実な時代であるがゆえに新たに踏み出すことを躊躇う青年に一人でも多く語りかけよう。地域の中に自分たちが在り、その地域を自分たちが牽引して行かなければならないことを。圧倒的な当事者意識をもち合わせた同志が集結すれば、青雲をも突き抜ける高い志が生れ、これからの地域を創ることを。恐れることはない、そこには同じ時代を生き抜く青年がいるだけだから。
限りある時を共に過ごせる喜びに変え、覚悟をもって進む己自身と未来を信じて。